【体験談】ワーケーション中の「仕事と休暇」理想のバランスを見つけるには
ワーケーションは、働く場所の自由度が増した現代において、仕事と休暇を融合させる新しい働き方として注目を集めています。しかし、「いざワーケーションを始めてみたら、どうもうまくバランスが取れない」「仕事に集中しすぎて休暇を楽しめなかった」「反対に、リラックスしすぎて仕事がおろそかになった」といった悩みを抱える方も少なくありません。
特に、Webデザイナーのような専門職の方は、創造性や集中力が求められる一方で、納期やクライアントとのコミュニケーションといった制約もあります。こうした状況で、どのように仕事と休暇の最適なバランスを見つければ良いのでしょうか。今回は、私自身のワーケーション体験を通じて見えてきた、バランスを取るためのヒントや具体的な方法についてお話しします。
なぜワーケーションでの「仕事と休暇」バランスは難しいのか
ワーケーションは、普段のオフィスや自宅とは異なる環境で働くことで、気分転換や新たなインスピレーションを得られる魅力があります。しかし、この「非日常」が、かえってバランスを崩す要因となることがあります。
- 環境の変化による影響: 普段と違う場所では、ついつい観光やアクティビティに時間を費やしたくなる誘惑があります。
- 時間管理の曖昧さ: オフィスのように明確な勤務時間がない場合、どこまでが仕事時間でどこからがプライベートかの区切りが曖昧になりがちです。
- 「せっかく来たのだから」という心理: 滞在先の魅力を最大限に味わいたいという気持ちが強く働き、仕事時間を削ってしまうことがあります。あるいは、「せっかく非日常で仕事をするのだから」と、かえって長時間労働をしてしまうケースも見られます。
こうした要因が重なり、ワーケーションは素晴らしい体験になるはずが、「中途半端になってしまった」と感じる結果につながってしまうことがあります。
体験談から学ぶ、バランスを見つけるための具体的なアプローチ
私自身、いくつかの場所でワーケーションを経験する中で、最初はバランスの取り方に苦労しました。しかし、試行錯誤を重ねるうちに、いくつかの有効なアプローチがあることに気づきました。
1. 事前の計画で「仕事時間」と「休暇時間」の大枠を決める
ワーケーションに出かける前に、大まかなスケジュールを立てておくことが非常に有効です。例えば、「午前中は集中して仕事、午後は自由時間」「平日はしっかり働いて、週末は完全にオフ」といったように、日ごと、あるいは週ごとの時間の使い方を決めておきます。
これは、分単位で厳密に計画するというよりは、あくまで「この時間帯は仕事モード」「この時間はリラックスする時間」という心構えを作るためのものです。これにより、現地に着いてから何となく時間を過ごしてしまうことを防ぎ、「仕事もしっかり進めつつ、楽しむ時間も確保する」という意識を持ちやすくなります。
2. 場所選びの視点に「仕事環境」をしっかり含める
ワーケーション先を選ぶ際、観光スポットや美味しい食事に目が行きがちですが、「仕事環境」はバランスに直結する重要な要素です。
私が特に重視しているのは、以下の点です。
- インターネット環境: 安定した高速Wi-Fiは必須です。可能であれば、有線LANの有無や、複数のネットワークオプションがあるか確認します。
- 作業スペース: 長時間座って作業できるデスクと椅子があるか。カフェやロビーでしか作業できない場所は避けることが多いです。個室や、集中できるコワーキングスペースが併設されていると理想的です。
- 電源: 作業スペースの近くに複数のコンセントがあるか確認します。
- 静かさ: 集中を妨げない静かな環境があるかどうかも重要です。共有スペースの賑やかさや、客室の壁の薄さなども考慮に入れる必要があります。
例えば、私は以前、海が見える景色の素晴らしい宿でワーケーションをしたことがあります。しかし、部屋にしっかりしたデスクがなく、Wi-Fiも不安定だったため、結局近くのカフェで作業することになり、期待していた「景色を見ながら働く」という体験はできませんでした。この経験から、どんなに魅力的な場所でも、仕事環境が整っていないとバランスを取るのが難しくなることを学びました。
3. 「オンオフの切り替えルーティン」を作る
非日常空間だからこそ、意識的に「仕事モード」と「休暇モード」を切り替えるためのルーティンを持つことが効果的です。
私の場合は、以下のようなルーティンを取り入れています。
- 仕事開始時: コーヒーを淹れる、好きな音楽(集中できるもの)をかける、タスクリストを確認する。
- 仕事終了時: PCを閉じる、作業スペースを片付ける、短い散歩に出るなど、物理的・精神的に仕事から離れるアクションを取る。
こうした小さなルーティンがあることで、「よし、今から仕事だ」「はい、今日はここまで」という区切りがつきやすくなり、気持ちの切り替えがスムーズになります。
4. 仕事内容に応じて滞在期間や場所を変える
担当している仕事の内容によって、ワーケーションのスタイルを変えることも有効です。
例えば、
- 集中して資料作成やデザインに没頭したい期間: 静かで仕事環境が整った場所を選び、休暇要素は控えめにする。
- 比較的ゆったりしたスケジュールで、インスピレーションを得たい期間: 自然豊かな場所や、文化的な魅力のある場所を選び、仕事の合間に散策やアクティビティを取り入れる。
このように、仕事の性質と滞在先の環境をマッチさせることで、より効果的にバランスを取ることができます。
まとめ:自分にとっての「理想」を見つける旅
ワーケーションにおける「理想のバランス」は、人によって、またその時々の状況によって異なります。完璧な正解があるわけではなく、自分にとって心地よく、仕事の質も休暇の満足度も両立できるポイントを探していくことが大切です。
今回ご紹介したアプローチが、これからワーケーションを始める方や、すでに経験されている方も、より充実したワーケーションを実現するための一助となれば幸いです。計画的に準備し、柔軟な心で非日常を楽しみながら、ご自身にとって最適なワークライフバランスを見つけてください。