【体験談】長期滞在ワーケーションのリアル:1ヶ月過ごしてわかったメリットと課題
リモートワークが普及し、場所にとらわれない働き方が可能になったことで、「ワーケーション」という言葉もすっかり定着しました。週末や短い休暇を利用した数日間のワーケーションは経験された方もいるかもしれません。しかし、1週間、いや、1ヶ月といった長期滞在でのワーケーションとなると、また違った世界が見えてきます。
今回は、私が実際に1ヶ月間の長期ワーケーションを経験した中で感じたリアルなメリットと、直面した課題、そしてそこから学んだことについてお話しさせていただきます。これから長期ワーケーションを検討されているリモートワーカー、特にWebデザイナーやライターといった専門職の方の参考になれば幸いです。
なぜ「長期」ワーケーションを選んだのか? 短期との違い
多くのワーケーション体験談は数日〜1週間程度が多いかと思います。私が1ヶ月という期間を選んだ理由はいくつかあります。一つは、単なる「場所を変えて仕事をする」だけでなく、「その土地に暮らすように滞在する」という経験をしてみたかったからです。短期滞在では見えにくい、地域の日常や人々の暮らしに触れることで、新たな視点や発想を得られるのではないかと考えました。
また、リモートワークの自由度を最大限に活用し、腰を落ち着けて仕事と地域の魅力をじっくり味わいたいという思いもありました。短期では観光がメインになりがちですが、長期であれば平日昼間はしっかりと仕事をし、夕方や週末に周辺を散策したり、地域のアクティビティに参加したりと、仕事と生活のバランスを取りやすくなります。
1ヶ月の長期滞在で見えてくる「仕事環境」のリアル
長期ワーケーションで最も重要になるのが、快適で生産性の高い仕事環境の確保です。数日であればカフェや短期利用のコワーキングスペースでも対応できますが、1ヶ月となるとそうはいきません。
私が滞在先を選ぶ上で重視したのは、以下の点でした。
- 長期滞在が可能な宿泊施設: マンスリーマンション、サービスアパートメント、長期割引のあるホテルやゲストハウスなど。キッチンや洗濯機があると生活が楽になります。
- 安定した高速インターネット: これは最重要項目です。事前にレビューを確認したり、施設に直接問い合わせたりして確認しました。私は念のため、ポケットWi-Fiも予備で持参しました。
- 適切な作業スペースと椅子: デスクと、長時間座っても疲れにくい椅子があるかどうかも重要です。宿泊施設の写真やレビューで確認しました。
- 電源の確保: 複数のデバイスを使用するため、コンセントの数や位置も確認しました。
実際に1ヶ月滞在してみると、当初想定していなかった課題も見えてきました。例えば、宿泊施設によっては「ワーケーション向け」と謳っていても、デスクが小さすぎたり、椅子の座り心地が悪かったりすることがあります。また、共有スペースの利用時間が限られていたり、他の利用者の声が気になったりすることもありました。
この経験から、長期滞在の場合は内見が可能であれば行うか、それが難しければ写真やレビューを徹底的に確認し、不安な点は施設に直接問い合わせることが非常に重要だと実感しました。また、必要に応じて外部のコワーキングスペースを契約したり、カフェをうまく利用したりと、複数の選択肢を持っておくことも大切です。
1ヶ月の「生活」を回す工夫と費用感
仕事環境と同様に、長期滞在では「生活」をどう回すかも重要なポイントです。
- 住居: 私はキッチン付きのマンスリーマンションを選びました。自炊ができることで食費を抑えられますし、自分のペースで食事を取れるのが良かったです。長期割引が適用される施設を選ぶと、コスト効率が上がります。
- 食事: 基本的に平日の朝晩は自炊、昼は近所の飲食店やスーパーのお惣菜、週末は少し遠出して美味しいものを食べる、というスタイルでした。地元のスーパーを利用すると、その土地ならではの食材に出会えたり、新鮮な魚介類を安く手に入れたりすることもできます。
- 費用: 1ヶ月の滞在費は、場所や施設のグレードによりますが、都心のアパートを借りるのと同程度、あるいはそれより少し高い程度になることが多いようです。私の場合は、宿泊費が約〇〇万円、食費が約〇〇万円、その他(交通費、アクティビティ、雑費など)が約〇〇万円で、合計約〇〇万円でした。短期滞在を繰り返すよりも、長期でまとめた方が移動費や初期の準備費用が抑えられるため、結果的に効率が良い場合もあります。
長期滞在だからこそ味わえる「休日」と「リフレッシュ」の質
長期ワーケーションの最大の魅力は、単なる観光ではなく「滞在」することで得られる体験の質です。
週末を利用して少し足を延ばすこともできますし、平日の仕事終わりにふらっと近所を散策するだけでも、その土地の季節の移ろいや人々の営みを感じることができます。私は地元の小さなパン屋さんを見つけたり、漁港で水揚げされたばかりの魚を買って帰ったりと、日常の中での発見がたくさんありました。
また、地域が主催するイベントに参加したり、地元のサークル活動に顔を出したりすることで、短期滞在では難しい地域の方々との交流が生まれました。これにより、孤独を感じることなく、より深くその土地の文化や魅力に触れることができました。これは、発想力を磨く上でも非常に刺激的な経験でした。
仕事とオフの切り替えについては、意図的にルーティンを作ることを意識しました。朝は決まった時間に起きて散歩をする、仕事は〇時までと決めてそれ以降はPCを開かない、などです。環境が変わるとルーズになりがちですが、メリハリをつけることが長期で集中力を維持する鍵だと感じました。
1ヶ月ワーケーションでわかったメリットと課題まとめ
私の1ヶ月ワーケーション体験から、主なメリットと課題をまとめます。
メリット:
- その土地に深く触れられる: 暮らすように滞在することで、地域の日常や文化を深く理解できます。
- 仕事と生活のバランスを取りやすい: 短期観光に追われることなく、自分のペースで仕事とオフの時間を確保できます。
- コスト効率が良い場合がある: 長期割引や自炊により、短期滞在を繰り返すよりも費用を抑えられる可能性があります。
- 新たな発想や視点が得られる: 非日常が日常になることで、凝り固まった考え方から解放され、クリエイティブな刺激を受けられます。
- 心身のリフレッシュ効果が高い: 慌ただしい日常から離れ、長期で環境を変えることで、より深いリラックス効果が得られます。
課題:
- 快適な仕事環境の確保: 長期滞在に適した施設選びや、必要に応じた外部環境の利用検討が重要です。
- 初期準備と計画: 短期よりも事前の情報収集や準備(荷物、手続きなど)に時間と手間がかかります。
- 孤独感: 知り合いがいない場所での長期滞在は、人によっては孤独を感じやすい場合があります。
- 仕事とオフの切り替え: 環境の変化により、仕事に集中しすぎたり、逆に気が緩みすぎたりすることがあります。
- 費用の管理: 短期よりも費用総額が大きくなるため、しっかりとした予算計画と管理が必要です。
まとめ:長期ワーケーションはどんな人におすすめ?
私の経験から、1ヶ月のような長期ワーケーションは、以下のような方におすすめできます。
- リモートワークに慣れており、仕事の自己管理ができる方
- 単なる観光ではなく、地域の文化や人々に深く触れたい方
- 日常から完全に離れて、じっくりとリフレッシュしたい方
- 環境を変えることで、新たな発想や刺激を得たいクリエイティブ職の方
- 費用を抑えつつ、非日常の環境で一定期間生活してみたい方
長期ワーケーションは、短期とは異なる計画と準備が必要ですが、それ以上に得るものが大きい魅力的な働き方・過ごし方だと感じています。この記事が、皆様の長期ワーケーション計画の参考になれば幸いです。ぜひ、自分に合ったスタイルで、新しい場所での働き方・暮らし方を体験してみてください。