【体験談】子連れワーケーションで仕事と育児を両立!リアルな場所選びと過ごし方
はじめに
リモートワークが浸透し、新しい働き方として「ワーケーション」への関心が高まっています。中でも、ご家族がいらっしゃるリモートワーカーの方にとって、「子連れワーケーション」は魅力的な選択肢の一つではないでしょうか。普段とは違う場所で仕事をしつつ、子どもと過ごす時間を増やす、あるいは家族との思い出を作る。しかし同時に、「本当に仕事と育児を両立できるのだろうか」「子どもが飽きずに過ごせる場所はあるのか」といった疑問や不安もつきまとうかと思います。
本記事では、私自身が実際に子連れワーケーションを経験した体験談に基づき、リアルな過ごし方や、特に重要だと感じた場所選びのポイント、そしてぶつかった課題やそこから学んだことについてお話しします。これから子連れワーケーションを検討されている方の参考になれば幸いです。
私たち家族の「子連れワーケーション」体験談
我が家では、小学生の子どもが一人おります。普段から自宅でのリモートワークが中心ですが、仕事の合間に子どもの世話をしたり、長期休暇中は子どもが自宅にいる中で仕事をしたりと、仕事と育児のバランスに日々向き合っています。
そんな中、「いつもと違う環境でリフレッシュしつつ、家族との時間も大切にしたい」という思いから、子連れワーケーションに挑戦することにしました。目的は、仕事の集中力を高めつつ、子どもに旅行気分を味わってもらい、家族で特別な思い出を作ることでした。
場所選びには特に時間をかけました。仕事に必要な高速なインターネット環境は必須でしたが、それ以上に重視したのは「子どもが安全に楽しく過ごせる環境」です。ホテルなども検討しましたが、より自宅に近い感覚でリラックスでき、かつ子どもが自由に動き回れる広さがあること、簡単な調理ができることなどを考慮し、今回は伊豆高原の海が見える一軒家の貸別荘を選びました。
実際の滞在は4泊5日でした。日中の過ごし方は、夫と私が交代で子どもの相手をしつつ、集中して仕事をする時間を作るという形を取りました。午前中は夫が仕事に集中し、私が子どもと近くの公園や海辺で遊ぶ。午後は交代して私が仕事をし、夫が子どもと過ごす。このような時間割を大まかに決めて取り組みました。子どものオンライン学習がある日は、その時間に合わせて仕事の予定を調整しました。
仕事の合間には、庭で子どもとシャボン玉をしたり、テラスで海を眺めながら簡単なランチをしたりと、普段の自宅ワークではできない体験ができました。夕方には近くの温泉施設を利用したり、最終日には少し足を延ばして観光地を訪れたりと、家族旅行としての時間もしっかり確保しました。
子連れワーケーションを成功させる場所選びのポイント
私たちの体験から、子連れワーケーションの場所選びで重要だと感じたポイントをいくつかご紹介します。
1. 必須の仕事環境
- インターネット環境: 最も重要です。事前に施設のレビューや公式情報でWi-Fi環境について確認することをおすすめします。可能であれば、通信速度の目安や安定性についても問い合わせると良いでしょう。私たちは念のため、モバイルルーターも持参しました。
- 作業スペース: 仕事に集中できるデスクや椅子があるか確認しましょう。リビングのテーブルでも構いませんが、子どもが周囲にいる中で集中できるか、電源へのアクセスは良いかなどを考慮する必要があります。
- 電源: 作業場所の近くに十分な数のコンセントがあるか確認しましょう。タコ足配線や延長コードがあると便利です。
2. 子ども向け環境と周辺施設
- 子どもの遊び場: 施設内に庭やキッズスペースがあるか、あるいは周辺に公園や安全に遊べる場所があるか確認しましょう。子どもが飽きずに過ごせる工夫が必要です。
- 安全性: 施設内の段差、階段、窓、庭など、子どもの安全に配慮されているか確認しましょう。小さいお子さんの場合は特に重要です。
- 生活環境: 簡単な調理ができるキッチンや洗濯機があると、長期滞在や子どものいる家庭には非常に便利です。
- 周辺施設: 食料品や日用品を購入できるスーパーやコンビニが近くにあるか、万が一の場合に備えて病院へのアクセスも確認しておくと安心です。
3. 滞在スタイルと施設のタイプ
- ホテル: 食事や清掃の心配がなく、サービスが充実している点が魅力です。キッズサービスや託児施設があるかも確認すると良いでしょう。部屋タイプによっては手狭に感じることもあります。
- 貸別荘・コテージ: プライベートな空間が広く、自宅のように過ごせるのが利点です。自炊や洗濯がしやすく、庭などで子どもを自由に遊ばせることができます。一方で、食事や清掃は自分たちで行う必要があります。
- 旅館: 和室がある場合が多く、小さなお子さんと過ごしやすいこともあります。温泉などが併設されているとリフレッシュできますが、仕事環境が整っているかは施設によります。
仕事と育児、両立のリアル
子連れワーケーションで最もチャレンジングなのは、やはり仕事と育児の両立です。私たちの体験から、いくつかリアルな側面と、その中で見つけたコツをお伝えします。
理想と現実
計画段階では「午前中は〇時間仕事、午後は〇時間仕事」と完璧なタイムスケジュールを立てがちですが、子どもの気分や体調、予期せぬ出来事(急な眠気、遊びへの集中、喧嘩など)によって計画通りに進まないことが多々あります。特に初めての環境では、子どもが落ち着くまで時間がかかることもあります。
成功のコツ
- パートナーとの連携: 夫婦やパートナーと協力して、仕事時間と育児・家事の時間を明確に分担することが非常に重要です。「今は自分が仕事、あなたは育児」というように役割を明確にすると、お互い集中しやすくなります。
- フレキシブルな働き方: 子どもの状況に合わせて、仕事のペースや時間帯を柔軟に変える意識を持つことが大切です。夜に少し残業したり、早朝に仕事をしたりと、普段のリズムにこだわりすぎないことが成功の鍵です。
- 外部サービスの活用(検討): 現地の託児サービスやアクティビティプログラムなど、子どもを預けられる・楽しませられるサービスを検討するのも一つの方法です。ただし、事前のリサーチと予約が必須です。
- 完璧を目指さない: 「ワーケーションだからといって、すべてを完璧にこなそう」と思わないことです。いつもより仕事量が減ったり、子どもとの時間がいまいち楽しめなかったりする日があっても大丈夫です。その環境ならではの体験を大切にしましょう。
失敗談から学んだこと
私たちの失敗談としては、やはり事前のネット環境確認が甘かったことです。公式情報ではWi-Fi完備となっていましたが、実際に使ってみると非常に遅く、オンライン会議に支障が出ました。幸いモバイルルーターを持参していたため事なきを得ましたが、インターネットは現代のワーケーションでは生命線ですので、可能であれば事前にレビューなども詳しく確認するか、予備手段を用意することをおすすめします。
また、子どもの「ここで〇〇したい!」という突発的な要望に応えすぎて、仕事の時間が削られてしまったこともありました。事前に子どもと「この時間はママ/パパがお仕事する時間ね」と約束したり、タイマーを使ったりするなど、区切りを意識することも大切だと感じました。
子連れワーケーション、費用はどれくらい?(目安)
子連れワーケーションの費用は、滞在日数、場所、施設のタイプ、家族構成、過ごし方によって大きく変動します。私たちの4泊5日の貸別荘滞在の場合、目安としては以下のようでした。
- 滞在費: 1泊あたり2万円~5万円程度(施設のグレードやシーズンによる)
- 交通費: 移動手段(車、電車、飛行機)や距離による。自家用車の場合、ガソリン代、高速代など。
- 食費: 外食中心か自炊中心かで大きく変わります。自炊中心であれば、普段の生活費+α程度に抑えることも可能です。
- アクティビティ費: 観光施設の入場料、体験費用、レジャー費用など。
- その他: 温泉利用料、お土産代など。
合計すると、数万円から十数万円、あるいはそれ以上になることもあります。費用を抑えるには、オフシーズンを狙う、自炊を増やす、近場の場所を選ぶ、施設タイプを工夫するなどの方法があります。しかし、費用対効果として、得られる体験や家族との時間を考えると、決して高すぎる投資ではないと私たちは感じています。
まとめ:子連れワーケーションは家族に何をもたらすか
子連れワーケーションは、確かに仕事と育児の両立という難しさも伴います。しかし、それを乗り越えた先には、普段の日常では得られない貴重な体験が待っています。
子どもにとっては、新しい環境での発見や遊びを通して、五感が刺激され、豊かな経験となります。親にとっても、場所を変えることで仕事への向き合い方が変わったり、リフレッシュできたりするだけでなく、子どもとじっくり向き合う時間が増えることで、家族の絆を深める良い機会となります。
完璧を目指すのではなく、家族みんなで協力し、時には計画変更も柔軟に受け入れながら、「楽しむ」ことを一番に考えられれば、子連れワーケーションはきっと家族にとって素晴らしい思い出となるでしょう。これから挑戦される皆さんも、ぜひ家族に合ったスタイルで、ワーケーションを楽しんでいただければと思います。