【体験談】コワーキングスペース併設宿でのワーケーション:集中できる仕事環境と交流のリアル
リモートワークが日常となり、働く場所の選択肢が広がる中で、「ワーケーション」に興味を持つ方も多いのではないでしょうか。自宅やカフェとは違う環境で気分転換を図りつつ、しっかりと仕事もこなしたい。そんなニーズに応える場所の一つに、「コワーキングスペース併設の宿泊施設」があります。
私もWebデザイナーとしてリモートワークを続けている中で、集中できる仕事環境と、少しの刺激や交流を求めて、この形態のワーケーションを体験してみました。今回は、そのリアルな体験談をお話しさせていただきます。
なぜ「コワーキングスペース併設の宿」を選んだのか
私のこれまでのワーケーション経験は、主に普通のホテルや温泉旅館での滞在でした。もちろんそれらも快適でしたが、仕事スペースが部屋に限られるため、長時間同じ場所にいることに閉塞感を感じたり、仕事とプライベートの切り替えが難しくなることがありました。
カフェでの作業も試しましたが、周囲の環境や電源・Wi-Fiの安定性に課題を感じることも少なくありません。
そんな中、コワーキングスペース併設の宿泊施設を知り、「これは理想的なのではないか」と考えたのです。集中して仕事に取り組める専用スペースがあり、疲れたら部屋で休息できる。さらに、他の利用者との偶然の出会いや交流も期待できるかもしれない。これらの点が、私がこの形態を選んだ大きな理由です。
集中できる仕事環境は手に入ったか?コワーキングスペースの実態
実際に利用した施設のコワーキングスペースは、期待通り、いえ、期待以上に快適でした。
まず、デスクの種類が豊富でした。一人用の集中ブース、窓に向かったカウンター席、複数人で使える大きなテーブル、ソファ席などがあり、その日の気分や仕事内容に合わせて場所を選べました。私が特に重宝したのは、モニターが設置された席です。Webデザインの作業では広い画面が必須なので、これは大変助かりました。
インターネット環境も非常に安定しており、オンラインミーティングや大容量ファイルのダウンロードも全く問題ありませんでした。電源も各席に十分に用意されており、充電の心配なく作業に集中できました。
静かな環境で、他の利用者の方々も各自の仕事に集中されており、適度な緊張感がありつつも、心地よい静けさでした。BGMも耳障りにならない音量で流れていました。自宅で一人で作業するよりも、かえって集中力が高まったように感じます。
宿泊施設としての快適性
併設されている宿泊施設は、シンプルながらも清潔で快適でした。私が利用した部屋は個室でしたが、ドミトリータイプを提供している施設もあります。部屋には必要最低限のアメニティが揃っており、ワーケーションに必要なものは特に困りませんでした。
共用スペースとして、簡単なキッチンやラウンジがあり、自炊することも可能ですし、他の利用者と軽くお話しする場としても機能していました。洗濯機や乾燥機も完備されており、長期滞在にも対応できるよう配慮されていました。
食事については、施設内で軽食の販売があったり、周辺に飲食店が多かったりする場合が多いようです。私の滞在先も、近所に地元のお店がいくつもあり、外食を楽しむことができました。時にはキッチンで簡単な料理を作り、食費を抑える工夫もしました。
期待していなかった「交流」のリアル
「交流」については、正直なところあまり期待していませんでしたが、自然な形で生まれる出会いがありました。コワーキングスペースや共用ラウンジで、他のリモートワーカーや旅行者の方と少しお話しする機会がありました。
皆さんバックグラウンドは様々で、エンジニア、ライター、映像クリエイター、会社の研修で利用している方など、普段の仕事では出会えないような方々と交流できました。仕事の進め方について情報交換したり、地域の情報を教えてもらったりと、短い時間でも有意義なやり取りができたのは、この形態ならではの魅力だと感じます。
もちろん、全ての人が積極的に交流を求めているわけではなく、集中して作業している方がほとんどです。そのため、無理に交流する必要はなく、自分のペースで仕事に打ち込める環境が基本としてあり、そこに「交流したい時にできる選択肢」がある、というのが実態でした。
ワーケーション中の過ごし方と費用感
私の滞在中の平日の基本的な過ごし方は、午前中にコワーキングスペースで集中して仕事をし、お昼休憩を挟んで午後も引き続き作業、というリズムでした。終業後は、周辺を散策したり、近くの温泉に入りに行ったりと、その土地ならではの楽しみを見つけました。
週末は完全にオフにして、少し遠出して観光したり、普段できないアクティビティに挑戦したりしました。仕事をする場所とプライベートを過ごす場所が物理的に分かれているため、自然と仕事と休暇のスイッチを切り替えやすかったように思います。
費用については、宿泊費とコワーキングスペース利用料が一体となっているプランが多いです。私の利用した施設は、1泊あたり約7,000円~10,000円程度でした(時期や部屋タイプによる)。これに食費やアクティビティ費用が加わります。ビジネスホテルに長期滞在するよりは割高になることもありますが、仕事環境の質や交流の機会を考慮すると、十分価値があると感じました。
この形態のワーケーション、ここが良かった・ここは難しかった
良かった点
- 圧倒的な集中力: コワーキングスペースの整備された環境で、生産性高く仕事に取り組めました。自宅よりも捗った実感があります。
- 仕事とプライベートの切り替え: 物理的に場所を分けることで、気持ちの切り替えがスムーズでした。
- 必要な設備が揃っている: Wi-Fi、電源はもちろん、モニターや会議室など、仕事に必要な設備が整っている安心感があります。
- 多様なバックグラウンドを持つ人々との交流: 予期せぬ出会いがあり、視野が広がりました。
- 立地の利便性: 都市部や観光地など、アクセスしやすい場所に立地していることが多いです。
難しかった点
- 意外と移動が面倒?: 部屋からコワーキングスペースへの移動、休憩中の行き来が、意外と手間に感じることがありました。
- プライベート空間とのバランス: 部屋はあくまで休息用と割り切る必要があります。部屋で作業したい気分の日には不向きかもしれません。
- 料金: 一般的なホテルに比べると、仕事環境の利用料が含まれるため、やや高めになる傾向があります。
結論:コワーキングスペース併設宿はこんな人におすすめ
私の体験から、コワーキングスペース併設の宿泊施設でのワーケーションは、以下のような方々に特におすすめできると感じました。
- 自宅では集中力を維持するのが難しいと感じている方
- 仕事に必要な設備(安定したWi-Fi、電源、モニターなど)が整った環境を求める方
- 一人でワーケーションするが、完全に孤立するのではなく、ゆるやかな繋がりや交流も少しは持ちたい方
- 仕事とプライベートの切り替えを明確にしたい方
- 短期〜中期のワーケーションを考えている方
初めてワーケーションを試す方にとっても、必要なものが揃っている安心感があり、仕事の基盤がしっかりしているので、挑戦しやすい形態だと思います。
「ワーケーション体験談集」では、今後も様々なワーケーションの形や場所に関するリアルな体験談をご紹介していく予定です。この記事が、皆様の次のワーケーション計画の参考になれば幸いです。