【体験談】非日常空間で仕事は捗る?キャンプ場・グランピングワーケーションのリアルレビュー
大自然の中での「働く」に憧れて:キャンプ場・グランピングワーケーションへの挑戦
リモートワークの柔軟性を活かし、自宅や通常のオフィスとは異なる環境で働く「ワーケーション」は、多くの方にとって魅力的な選択肢です。特にWebデザイナーのような専門職の方々は、場所を選ばずに仕事ができるため、新しい場所での刺激やリフレッシュを求めていらっしゃるかもしれません。
その中でも、近年注目を集めているのが、キャンプ場やグランピング施設でのワーケーションです。都会の喧騒から離れ、豊かな自然に囲まれながら仕事をするというのは、想像するだけで心が踊るのではないでしょうか。しかし、「本当に自然環境で仕事が捗るのか?」「ネット環境や電源は大丈夫なのか?」といった疑問や不安をお持ちの方もいらっしゃるかと思います。
この記事では、私が実際に体験したキャンプ場およびグランピング施設でのワーケーションのリアルな体験談をお届けします。仕事環境、過ごし方、メリット・デメリット、そして実際に感じた率直なレビューを通して、皆様がキャンプ場・グランピングワーケーションを検討される際の参考となれば幸いです。
なぜキャンプ場・グランピングを選んだのか
私がキャンプ場やグランピング施設でのワーケーションに挑戦しようと思ったのには、いくつかの理由があります。
まず第一に、心身のリフレッシュです。日々のリモートワークに慣れる一方で、正直なところ自宅での作業環境に少し飽きを感じていました。自然の中で過ごすことで、新しい刺激を得て、仕事へのモチベーションを高めたいと考えました。
次に、非日常的な体験への興味です。ホテルや都市部の施設とは全く異なる環境で「働く」ことが、どのような感覚をもたらすのか、純粋に体験してみたかったのです。テント設営や焚き火といったアウトドアならではの体験と、日常の仕事がどう融合するのかに惹かれました。
また、Webデザイナーという仕事柄、新しい環境からインスピレーションを得たいという思いもありました。自然の色合い、光、音、そしてそこに流れる時間。普段とは違う五感への刺激が、デザイン思考に良い影響を与えるのではないかと期待しました。
実際に体験した場所と仕事環境のリアル
私がワーケーションで利用したのは、ある山間部の高規格キャンプ場と、湖畔にあるグランピング施設です。どちらも自然豊かな場所に位置していましたが、仕事環境にはそれぞれ特徴がありました。
高規格キャンプ場での体験
キャンプ場は、フリーサイトではなく区画サイトを選びました。電源付きサイトもあったのですが、あえて電源なしのサイトを選び、ポータブル電源やモバイルバッテリーを活用することにしました。
- ネット環境: キャンプ場全体にWi-Fiはありませんでした。主な通信手段はスマートフォンのテザリングとモバイルルーターです。場所によっては電波が不安定になることもありましたが、幸い私のサイトでは比較的安定して通信できました。ただし、大容量のファイル送受信や長時間のオンライン会議には少し不安が残りました。
- 作業スペース: 持参した小型のキャンプテーブルとチェアを使いました。天候が良ければ木陰で作業できましたが、急な雨でテント内に移動せざるを得ない場面もありました。テント内はやはり狭く、長時間の作業には不向きでした。地面がフラットでないことも集中を妨げる要因になり得ます。
- 電源: 持参した大容量ポータブル電源とモバイルバッテリーでノートPCやスマートフォン、モバイルルーターの電源を確保しました。昼間は太陽光発電パネルも併用し、充電の持ちは問題ありませんでした。しかし、充電設備のない場所では計画的な電源管理が必須です。
- 集中度: 自然の音(鳥のさえずり、風の音)は心地よかったのですが、近くのサイトの声や生活音が気になることもありました。集中できたのは早朝や夜間など、比較的静かな時間帯でした。
湖畔グランピング施設での体験
グランピング施設は、常設テントにベッドやソファ、テーブルが備え付けられたタイプでした。
- ネット環境: 施設全体にWi-Fiが完備されていました。電波強度も比較的強く、オンライン会議も問題なく行うことができました。ただし、時間帯によっては利用者が多くなり、速度が少し遅くなることもありました。
- 作業スペース: テント内に用意されたテーブルと椅子を使いました。広さがあり、作業には十分なスペースでした。ただし、ホテルのデスクワークのように最適な高さや形状ではないため、長時間の作業では姿勢に気を配る必要がありました。
- 電源: テント内に複数のコンセントがあり、電源の心配は全くありませんでした。
- 集中度: テントは隣のテントと距離があったため、プライベート感は保たれていました。自然の音に加えて、空調の音や施設のBGMなども聞こえましたが、全体としてはキャンプ場より集中できる環境でした。
仕事と休暇・リフレッシュの両立方法
キャンプ場・グランピングワーケーションの醍醐味は、やはり仕事の合間や終業後のリフレッシュです。
私の場合は、午前中は比較的集中力のいる仕事を行い、午後は少し軽めの作業やメールチェックなどに充てました。そして、終業後はすぐに焚き火の準備をしたり、周辺を散策したりと、アウトドアアクティビティに時間を費やしました。
グランピング施設では、施設内の温泉やサウナを利用したり、湖畔で読書をしたりして過ごしました。食事も施設が提供してくれるため、準備や片付けに時間を取られることなく、スムーズにリフレッシュの時間に入ることができました。
仕事と休暇の切り替えを意識的に行うことが、両立の鍵だと感じました。例えば、「このタスクが終わったら散歩に行く」「今日の仕事はここまでにして、夕日を見に行こう」のように、具体的な目標やご褒美を設定すると、集中力も増し、リフレッシュ効果も高まるように思いました。
失敗談から学ぶ:自然環境ならではの課題
非日常空間でのワーケーションは素晴らしい体験でしたが、いくつか苦労した点もありました。
- 天候への対応: キャンプ場では、突然の雨で作業場所をテント内に移す必要が生じました。グランピングでも、強風でテントが揺れたり、気温の変化に対応したりと、天候に左右される側面は避けられません。悪天候を想定した準備と、作業計画の柔軟な変更が必要です。
- 虫対策: 自然豊かな場所では、やはり虫はつきものです。特に夏場は虫が多く、蚊取り線香や虫よけスプレーは必須でした。作業中に虫に気を取られることもありました。
- 持ち物の重要性: 特にキャンプ場の場合、必要なものは全て自分で準備する必要があります。延長コード、タコ足配線、ランタン、折りたたみ式のデスクやクッションなど、快適な仕事環境を作るための持ち物は入念に検討すべきだと感じました。
- プライベート空間の確保: キャンプ場では、隣のサイトとの距離が近い場合、話し声などが筒抜けになります。オンライン会議などで機密性の高い話をしたり、集中したい場合には、周囲の環境をよく確認することが大切です。グランピング施設は比較的プライベートが保たれていましたが、それでも壁に囲まれた部屋とは異なります。
キャンプ場・グランピングワーケーションは「あり」なのか?リアルレビューまとめ
私の経験を踏まえると、キャンプ場やグランピング施設でのワーケーションは、一言で言えば「合う人には非常に良い、ただし準備と心構えが必要」という結論になります。
【メリット】
- 圧倒的なリフレッシュ効果と非日常体験: 自然に囲まれて仕事をするのは、想像以上に心地よく、心身ともにリフレッシュできます。新しい環境からの刺激は、創造性や発想力を高める可能性を秘めています。
- 仕事とアクティビティの融合: 仕事が終わったらすぐにアウトドア体験や自然散策ができるのは、このスタイルの大きな魅力です。
- 集中力が高まる可能性: 静かな時間帯や、意識的に集中できる環境を作れば、いつもと違う環境が良い意味での緊張感をもたらし、集中力が高まることもあります。
【デメリット・注意点】
- 仕事環境の整備が必要: ネット環境、電源、作業スペースなど、快適に仕事をするためには事前の確認と準備が不可欠です。特にキャンプ場では自己完結の度合いが高まります。
- 天候や外部環境に左右される: 自然の中ゆえ、天候の変化や他の利用客の音などが仕事に影響を与える可能性があります。
- 持ち物が多くなる傾向: 特にキャンプの場合は、通常のワーケーションに加えてアウトドア用品が必要になります。
- 人によっては不向きな可能性: 完璧な静寂や快適な空調、広々としたデスクを求める方には向かないかもしれません。
Webデザイナーのような専門職の方が、新しいインスピレーションやリフレッシュを求めて短期間試してみるには、非常に魅力的な選択肢となり得ます。特にグランピングは、アウトドア初心者でも比較的快適に自然を満喫しながら仕事ができるため、入門編としておすすめです。
もしあなたが「自然の中でリフレッシュしながら仕事をしてみたい」「いつもの環境から離れて刺激を得たい」と感じているなら、この記事を参考に、事前のリサーチと準備をしっかり行った上で、ぜひキャンプ場やグランピング施設でのワーケーションに挑戦してみてはいかがでしょうか。きっと、新しい働き方と発見があなたを待っているはずです。